0円審査請求は、審査の開始を遅らせるのにも使える。バックアップ分割出願で有効


特許法では、出願日から3年以内(分割出願の場合は、分割出願日から30日以内と原出願日から3年以内のうちの遅い方)に審査請求をすべきことが規定されていて、しなければ出願が取り下げられてしまいます。

しかし、この期限までに審査請求をするかどうかを決断することができない場合があり、そのような場合には、手数料を支払わずに審査請求(0円審査請求)をするという手が有効です。手数料を支払わなくても審査請求を3年以内に行えば法定の要件が満たされるからです。

手数料を支払わない場合、概ね1ヶ月程度で、手数料支払いの補正命令が届きます。この命令に応答して30日以内に手数料の納付を行えば、適法に審査請求をしたことになります。

この方法は、審判請求と同時に行うバックアップ分割出願でも有効です。バックアップ分割出願は、原出願日から3年を経過した後に行うことが多いので、審査請求期限は分割出願日から30日になります。そして、審査請求日から9ヶ月程度で、審査が開始されます。
一方、審判は、早期審理をかければ数ヶ月程度で結論がでますが、審判段階で拒絶理由が出されることもあり、9ヶ月以上かかる可能性も否定できません。

そこで、少しでも審査の開始を遅らせる必要がありますが、その際に使えるのが、上記の0円審査請求手続きです。特許庁に確認したところ、審査の順番は、方式をクリアした時点で決定されるとのことでしたので、0円審査請求で手数料の支払いを遅らせればその分だけ審査の開始を遅らせることができます。

また、別の方法としては、分割出願において、「審判の結論が出てから分割出願のクレームを検討したい旨」の上申書を提出することができます。審査官によっては上申書の内容を考慮してくれる可能性もありますが、義務ではないので、どうなるかは不明です。

その他に審査を遅らせる手段があるかどうかも聞いてみましたが、そのような方法はない、とのことでした。
なお、以前は特許審査は、審査請求から2年程度かかっていましたが、最近は平均9ヶ月にまで短縮されました。


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渋谷のSK特許業務法人のパートナーの伊藤寛之です。日々の実務の中で分からないことがたくさんあって、特許庁に問い合せたり、調査をしたりして、一つずつ疑問を解決しています。せっかく調べた情報ですので、このブログに蓄積していこうと思います。雑文も多いと思いますが、よろしくお願いします。
メインのHPもよろしくお願いします。

・弁理士
・米国弁理士試験合格
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・HSK5級(TOEIC800-900相当)合格
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